ちょっと、女子会トークをさせてください。
かつて、7歳上のプライドがややお高めの男と付き合っていました。
彼は、歳の差のせいか、性格のせいか、私の話を軽視しがちな傾向があったんですね。
ある夜、お鍋を食べようと買い出しにいきました。
私はお鍋に入れる葉物はレタスが最強だと思っているので「意外と合うんだよ!」とおすすめしましたが、「鍋には白菜でしょ」と一蹴され、泣く泣く白菜を食べました。
2か月後。
また鍋でも食べるかと買い物に行くと、野菜コーナーで彼は言い放ちました。
「知ってる?会社の先輩に聞いたんだけど、鍋にレタスって合うんだって」
……はあああ!?
それ、私が言ったやつじゃん!!!
自分が聞いてきてあげたみたいなツラしてるけど、鍋×レタスについては私の方が知識と経験があるからね!?
この瞬間、これまで彼に軽視されてきた思い出がよみがえって無性に腹が立ち、「じゃあもうレタスと付き合ってろよ!」と言い放ち別れました。
彼からすれば意味がわからなかったと思いますが、もうすべてを説明してあげるほどの愛情は残っていなかったのです。
振り返ってみると、彼にとって、「職場で活躍する先輩」の言葉は重要で、「7つ下の小娘」の言葉は取るに足らないものだったのでしょう。
同じ内容でも「誰が言うか」はものすごく重要ですが、これは実生活だけでなくアニメーションでも同じです。
動画の中でどのキャラが言うかによって、視聴者の方の受け取り方は大きく変わります。
テキトーに作ったキャラが発する言葉は、面白くもないし視聴者の心に刺さりません。
同じセリフでも、しっかり設定を練って、性格やビジュアルを何度も検討したキャラが発した言葉は、不思議と笑えたりほっこりしたりします。
だからこそ、キャラの魅力は動画全体のクオリティを左右する大きなポイントとなります。
今回制作した株式会社INIT様のFAST TRAINERについての動画でも、キャラ作りには時間をかけました。
メインとなるアゲリカワは、一歩間違えると、ただベラベラと自分の話したいことだけを喋り続けるキャラになってしまいます。
また、側近も初めはマッチョなキャラだったため、INIT様とのミーティングで「アゲリカワと似ているのでは」というご指摘をいただきました。
そこからファニムビのメンバーで何度も協議を重ね、「どうしたらそれぞれが愛されるキャラになるか」を話し合いました。
デザインや話し方など何度も試行錯誤し、アゲリカワは「理論派で自信満々」、側近は「クール」とまったく異なる性格にして、デザインは側近をSP風にすることで、2人を差別化できました。
2人のコントラストを明確にしたことで非常に見やすくなり、より視聴者の方に愛されるキャラになったと思います。
思わず笑える動画作りに注力しているファニムビでは、キャラの魅力と同じくらい、ボケとツッコミの間にもこだわっています。
間延びせず慌ただしすぎない絶妙な塩梅にすることで、視聴者の方に笑っていただけるテンポ感を作りました。
大変だったのは、ボケ数が多かったこと。
アゲリカワのボケを、ツッコミである受講生がどれくらい拾うのか。
どのくらいの間で、どのくらいのテンションでツッコむかを考えるのには苦労しました。
また、クライアント様の動画を制作する場合、面白いだけではなく商品やサービスの情報をお届けすることも重要です。
笑いだけに走りすぎず、かといって真面目に説明するだけではない、バランスの取れた内容に仕上げるのは簡単ではありません。
今回のFAST TRAINERは非常に多くの魅力があり、すべての要素を同じ熱量で伝えようとすると長すぎる動画になってしまいます。
そこで、商品の最大の特徴であり、競合に対して優位性のある「効率良く速筋を鍛えられる」点をアピールすることに動画の大半を使いました。
これにより、短い動画ですが「なぜ速筋が鍛えられるのか」「どのくらい効率的か」などをしっかり説明できました。
「速筋を鍛える」以外のメリットである、サイズ感やラップ幅の広さは時間をかけすぎず、サクッとご紹介しています。
こうした工夫により、細かい点を伝えながらも、キャッチーでわかりやすい「効率あげあげアスリート」という決めゼリフが活きる構成にまとめられました。
今回の動画を納品後、INIT様からの差し戻しはなく、高評価をいただくことができました。
現在は営業ツールとしてご利用いただき、展示会などで活用される予定です。
メインのターゲットとなるアスリートや筋トレ中・上級者はもちろん、これから筋トレを始める方にも魅力を伝えられる内容に仕上がったと思います。
ファニムビではこれからも、キャラの魅力にこだわりながら、商品の素晴らしさを伝えられる動画をたくさん制作していきます!
新しいリリースが出たらメールでお知らせします。