
2026.01.28
企業PRや採用、ブランディングで「PRアニメ」が注目されています。
でも実際には、「本当に効果があるのか」「実写と何が違うのか」「失敗しない作り方が分からない」と不安になりやすいものです。上司や社内に説明するなら、感覚ではなく、判断の根拠も必要です。
本記事では、PRアニメの基礎から、企業PRで選ばれる理由、活用シーン、成功事例の見方、失敗しない作り方までを整理して解説します。初めて検討する方でも、社内で話を進めやすい内容にしています。
ぜひ参考にしてみてください。

PRアニメとは、企業や商品・サービスの魅力を伝えるために作る「アニメーション動画」のことです。ここでいう「アニメ」は、テレビアニメのような作品づくりというより、広報(PR)目的で分かりやすく伝えるための表現です。イラスト、図形、文字、キャラクターなどに動きをつけて、伝えたいことを整理して見せます。
似た言葉が多いので、まず違いをシンプルにまとめます。
ポイントは、名称よりも目的と使い方です。たとえば、同じ動画でも「採用ページに載せて会社理解を深める」のか、「SNS広告で短期間に認知を取る」のかで、作り方が変わります。
では、なぜ近年、企業PRでアニメが選ばれることが増えているのでしょうか。理由は大きく3つあります。
1つ目は、企業が伝える内容が複雑になっていることです。無形サービス(形がないサービス)、仕組み、サブスク、BtoBサービス(企業向けサービス)などは、実写だけだと「何を撮れば伝わるのか」が難しくなりがちです。PRアニメなら、図や文字で順番に見せられます。
2つ目は、誤解を減らしやすいことです。企業PRは「言いたいことが正確に伝わる」ことが大切です。PRアニメは、見せる情報をコントロールしやすいので、余計な要素を減らして要点に集中させやすくなります。
3つ目は、SNS・Web時代との相性です。SNSやYouTubeでは、動画が流し見される前提があります。最初の数秒で「何の話か」が分からないと離脱されやすいです。PRアニメは、結論を先に出したり、字幕(テロップ)や図解で理解を助けたりする設計がしやすいので、短時間でも要点を伝えやすくなります。
つまり、PRアニメは「かっこいい動画を作るため」ではなく、企業PRでよくある“伝わらない”を減らすための手段として使われています。

結論から言うと、PRアニメが企業PRに向いている理由は、次の3つです。
①実写よりも説明を作りやすい、②リスクを減らしやすい、③覚えてもらいやすい。
ここを押さえると、上司に説明するときも「なぜPRアニメなのか」を言語化しやすくなります。
PRアニメが伝わりやすくなりやすい理由は、情報を整理して、順番に見せられるからです。
実写はリアルで説得力が出ます。一方で、企業PRでよく出てくる「仕組み」「流れ」「比較」「メリット」は、実写だけだと説明が長くなりがちです。
たとえば、次のような内容はPRアニメが向いています。
PRアニメなら、図やアイコンを使って「まずこれ」「次にこれ」という順番を作れます。視聴者が迷いにくくなるので、理解が進みやすいです。
また、企業PRでは「社内説明に使えるか」も大事です。PRアニメは、要点を短くまとめやすいので、上司や関係部署に共有する材料にもなりやすいです。もちろん内容次第ですが、情報整理が得意な表現という点が、企業PRと相性が良い理由です。
企業PRでは、炎上や誤解のリスクも無視できません。実写の場合、出演者(社員・タレント)や撮影シーンの印象が強く出て、受け取り方がブレることがあります。撮影場所、服装、言い回しなど、意図しない部分で印象が決まってしまうこともあります。
PRアニメは、見せる情報を絞りやすく、演出も統一しやすいので、メッセージをぶらしにくい特徴があります。さらに、社員が出演しない形にすれば、退職や体制変更があっても動画の使い方が変わりにくくなります。
もう一つ、企業PRでは「長く使えるか」も重要です。PRアニメは、デザインやトーン(雰囲気)を最初に決めておくと、あとから修正や差し替えがしやすい設計にできます。結果として、採用ページ、展示会、営業資料などに展開しやすい“資産”になりやすいです。
企業PRは、一度見ただけで全部覚えてもらうより、必要なときに思い出してもらうことが大切です。PRアニメは、キャラクターや短いストーリーを使うことで「覚えてもらうきっかけ」を作りやすくなります。
たとえば、ただ説明する動画よりも、冒頭で視聴者の困りごとを見せてから解決につなげるほうが、理解が進むことがあります。SNSやYouTubeでは「分かりやすい」「誰かに共有したい」と感じると、保存や共有につながりやすくなります。
もちろん、PRアニメを作れば必ず拡散されるわけではありません。ただ、短尺にしたり、シリーズ化したり、字幕で見やすくしたりと、SNSに合わせた工夫を入れやすい点は、企業PRにとってメリットになります。

結論として、PRアニメは「言葉だけでは伝わりにくい」「実写では見せにくい」場面で力を発揮します。ここでは、企業でよくある活用シーンを4つに整理します。
向いている課題:会社の価値観や姿勢、雰囲気を伝えたい
ブランディングは、商品説明よりも「どんな会社か」「どんな考え方か」を伝える目的が強いです。実写でもできますが、抽象的な価値観を短時間で伝えるのは難しくなりやすいです。
実写では難しい理由:撮影素材が不足しやすい/場面がバラバラになりやすい
PRアニメがハマるケース:世界観やトーンを統一して、印象を積み上げたい場合
向いている課題:仕組みや違いを短く説明したい
無形サービスや新しいサービスほど、「初見の人にどう説明するか」が難しいです。PRアニメは図解が得意なので、流れや比較を短時間で整理しやすくなります。
実写では難しい理由:仕組みを撮れない/説明が長くなりやすい
PRアニメがハマるケース:手順・比較・導入後の変化などを分かりやすくしたい場合
向いている課題:仕事内容、働く流れ、求める人物像を伝えたい
採用では、応募者が知りたいのは「実際どう働くのか」「自分に合うか」です。PRアニメは、部署ごとの流れや成長イメージを整理して見せやすいので、理解を助けられます。インナーブランディング(社内向けの意識づくり)でも、方針や大事にしてほしい行動を共有する場面で使われます。
実写では難しい理由:撮れない情報がある/部署差が出やすい
PRアニメがハマるケース:誤解を減らし、ミスマッチを減らしたい場合
向いている課題:地域の魅力、取り組み、制度を分かりやすく伝えたい
自治体や団体は、伝える情報が多くなりがちです。PRアニメなら、ストーリーに乗せたり、図解で整理したりして、理解のハードルを下げやすくなります。
実写では難しい理由:情報が多く、短時間でまとめにくい
PRアニメがハマるケース:幅広い年齢層に向けて、分かりやすさを優先したい場合

結論として、PRアニメの成果は「絵がきれい」だけで決まりません。成功している事例は、共通して①目的がはっきりしている、②見せ方の設計がある、③使い方(公開・運用)まで考えていることが多いです。ここでは、公式情報として確認できる事例を使いながら、構造を分解してみます。
広島ガス株式会社は、広島の実在する風景を背景にしたドラマ仕立てのアニメCM「このまち思い物語」を放映していることを、公式に案内しています。
この事例のポイントは、最初から商品やサービスの説明を前に出すのではなく、地域の暮らしの場面を通して「どんな企業でありたいか」を自然に伝えているところです。
東武鉄道株式会社は、同社初のアニメーションCMを公開し、その目的として「認知向上」や「事業理解」につなげたいことをニュースリリースで説明しています。あわせて、公式YouTubeでもアニメーションCM(ロングバージョン)が公開されています。
この事例のポイントは、企業の歴史や取り組みのように情報量が多い内容を、短時間でも理解しやすい形に整理して伝えているところです。
松山市は、市の魅力を発信する取り組みとして、松山市を舞台にしたオリジナルアニメーションを制作し、YouTubeで公開していることを公式ページで案内しています。
この事例のポイントは、観光情報をそのまま並べるのではなく、物語の中に自然に組み込みながら見せて、見た人の印象に残る形にしているところです。
成功パターンが違っても、共通点は似ています。
社内説明では、「どの成功パターンを狙うか」を決めると判断が早くなります。

結論として、PRアニメの失敗は「作り始める前」に起きやすいです。広報担当者がやりがちな落とし穴を3つにまとめます。
一番多い失敗は、「とりあえずPR動画を作る」から始めることです。目的が曖昧だと、途中で社内の意見が増えます。結果として、動画の中に入れたい情報が増え、何が大事か分からなくなります。
よくある流れはこうです。
「会社の強みも入れたい」→「サービスも説明したい」→「採用にも使いたい」→「全部入れよう」
こうなると、尺(動画の長さ)が足りず、重要なメッセージがぼやけます。
対策はシンプルです。最初に次の3点を1文で言えるようにします。
「全部伝えたい」は自然な気持ちですが、視聴者が覚えられる量には限りがあります。情報を詰め込みすぎると、次の問題が起きやすいです。
対策は、主メッセージを1つ決めることです。残りは「詳しくはWebへ」「資料請求へ」など、別導線に渡した方が伝わりやすくなります。
PRアニメは「作って終わり」ではありません。使い方が決まっていないと、完成後に困ります。
対策は、制作前に「どこで使うか」を決めることです。
SNS、公式サイト、採用ページ、展示会、営業資料など、使う場所で正解が変わります。

結論として、失敗しないPRアニメは「設計→確認→制作」の順番を守っています。ここでは、社内説明に使えるチェックリスト形式で整理します。
まず、ここが決まると全てが進みます。
■社内用チェックリスト
絵の前に、話の流れ(構成)を決めます。ストーリーといっても難しくありません。おすすめはこの型です。
この順番にすると、見た人が迷いにくくなります。逆に、いきなり会社説明を始めると、視聴者が「自分に関係ある話か」を判断できず、離脱されやすくなります。
制作会社は「絵がうまいか」だけで選ぶと危険です。PRは目的達成がゴールなので、提案と進め方を見ます。
■比較ポイント
制作事例を見て比較するなら、こちらも参考にしてみてください。

結論として、PRアニメは「作る前の準備」で8割決まります。ここを整理すると、社内稟議も通りやすく、制作もスムーズです。
予算は「いくら出せるか」だけでなく、「どこまで作るか」で変わります。たとえば、次の要素で変動します。
社内では、まず「必須」と「できたらやりたい」を分けるのがおすすめです。全部入りにすると判断が止まりやすいです。
PRアニメは、一般的に
企画→台本→絵コンテ→制作→修正→納品
の順で進みます。納期が短いほど、途中確認が雑になり、手戻りが増えやすいです。
社内でやっておくと良いのは、確認フローの一本化です。
「誰が最終判断するか」「フィードバックを誰がまとめるか」を決めるだけで、進行が安定します。
上司に説明するときは、感想よりも「目的」「根拠」「使い方」をセットにすると通りやすくなります。
社内説明の視点としては、担当者インタビューも参考になります。
丸投げしてよいのは、作画や編集などの“制作作業”です。
丸投げしない方がいいのは、目的と判断の部分です。
ここを社内で握っておくと、途中でブレにくくなります。
PRアニメは、企業PRでよくある「言葉だけでは伝わらない」「実写では見せにくい」を解決しやすい手段です。特に、仕組みの説明、価値観の共有、採用での仕事内容整理など、理解が必要なテーマと相性があります。一方で、目的が曖昧なまま作る、情報を詰め込みすぎる、使い方を決めずに作ると、成果につながりにくくなります。
まずは、目的・ターゲット・掲載先を整理し、「何を覚えてもらうか」を1つ決めるところから始めるのがおすすめです。迷う場合は、事例を見ながら相談すると判断が早くなります。
FUNNYMOVIE(ファニムビ)のオウンドメディアとしては、参考用にHP限定公開の「OKURA」も案内しています。必要に応じて確認しつつ、PRアニメ制作を検討している方は、まずは相談という形で課題整理から進めてみてください。
名古屋在住のフリーライター兼チンドン屋。猫2匹と爬虫類ズと暮らしている。
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