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2025.10.17

【アニメで魅せる広報術】『FF7リメイク』公式ショートアニメ

フクザワマキコ

ファニムビ×スクエニが生んだ「笑える公式アニメ」

2024年2月29日にスクウェア・エニックスから発売された『ファイナルファンタジーVII リバース』
1997年の名作RPG『FFVII』のリメイク3部作の第2弾であり、魔晄都市ミッドガルを脱出したクラウドたちの新たな旅を描く壮大な作品だ。

そんな『FF7リバース』の発売直前、注目を集めたのがファニムビ制作による公式ショートアニメ
なんとなくわかるかもしれない!ファイナルファンタジーVII リメイク。前作『リメイク』を振り返りつつ、“ネタバレなしで笑えるFF”としてSNSで拡散された。

コメント欄には
「好きな企業が好きな企業とのコラボしている幸福感よ…」
「涙ちょちょ切れRPGってワードすきw」
など、作品愛と笑いが入り混じる反応が寄せられた。

冒頭のユーモアで“FFを知らない人”も巻き込む

動画は、ゲームショップのバックヤードから始まる。
新人アルバイトが「ファイナルファンタジーVII リメイクのあらすじを教えてほしい」と客に聞かれ、店長に助けを求める──という何気ない日常シーン。

ファニムビは、PR動画でありながら笑いを誘う脚本構成を採用した。

店長の「星から魔晄(まこう)っていうエネルギーが出てくるんだけど」から始まる解説が、
アルバイトの聞き間違いで「腰からタコとアレルギーが出てくる物語」に変換されていく。
会話のテンポとズレの面白さで、ゲームを知らない人も自然に惹き込まれる構成だ。

冒頭で笑わせるテンポ感を狙い、「まず視聴者の防御を解く」という演出意図が透けて見える。
“公式ながら軽妙な表現”という演出により、PR動画特有の堅さを和らげている。

視聴者が思わず共感してしまう構成とは

本作のユーモアは、単なるギャグではなく「情報を噛み砕く説明の難しさ」という共感テーマを内包している。
新人が専門的なことを説明しようとして失敗し、ベテランがフォローする──どの業界にもある“あるある構図”だ。

ファニムビはこの構図を活かし、複雑なストーリーをユーモラスな会話形式でわかりやすく伝えた。その結果、FFを知らない人にも「なんか面白そう」と思わせる共感構造になっている。

登場キャラとのシンクロ演出で笑いを深化

中盤の見どころは、店長とアルバイトの掛け合いが次第に“FFの登場人物”とシンクロしていく演出だ。
本気を出した店長が突然セフィロスに、アルバイトがクラウドそっくりの見かけに変化し、熱弁を繰り広げる。

ファニムビは、キャラクターの立ち位置や関係性を“説明ではなくギャグで伝える”という逆転のアプローチを採用。
視聴者は「なんだかんだFFの世界を理解していた」という状態に自然と導かれる。

“原作への敬意とユーモアの両立”が、PRの効果を高めた

終盤、店長が「見ての通り!」を連呼しながら映像を紹介するくだりでは、
映像の美しさとテンションのズレが絶妙なコントラストを生み出す。

ファニムビが重視したのは、
「原作をリスペクトしながら、笑いで入口を広げる」という設計。
BGMや映像は原作そのまま、しかし展開はコメディ。

真剣さと遊び心を両立させる構成が、公式コンテンツとしての信頼性と親近感を生んだ。

視聴者からは、
「発売前にいろんな企画ものの動画あったけど、このシリーズが一番おもしろかったなぁ」
「元々買うつもりだったけど、この動画見てさらに欲しくなった」
といったコメントが寄せられ、SNS上で好意的な反応が多数寄せられ、PRとして一定の成果を示した。

まとめ:笑いで“伝わる”を設計するファニムビ流アニメPR

重厚な世界観を持つ『FF7リメイク/リバース』のような大作ほど、情報発信のハードルは高い。
だがファニムビは、“笑い”を通して作品の世界を広く伝え、ファン層の枠を超えて共感を得た。

「真剣さとユーモアを両立させる」姿勢が、結果的に作品への敬意をより明確に示すものとなった。
この事例は、アニメを活用した広報が“世界観の翻訳装置”になり得る”ことを証明した好例だ。

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