
2025.11.06
『新人ナース ボルみ』は、看護師の日常をリアルに描くショートアニメシリーズです。
主人公は元プロレスラーの新人ナース・ボルみ。力も根性もある一方で、現場では少し空回り気味。
その“まっすぐさと不器用さ”が共感を呼び、看護師や医療従事者を中心に広く支持を得ています。
本作は「レバウェル看護」公式SNSで公開され、シリーズ累計再生数は1000万回を突破。
特にTikTokで配信された「共感したら危ない 夜勤明けソング」は約240万回再生を記録しました。
医療業界におけるSNSプロモーションの成功事例として注目を集めています。

医療現場の“リアル”をユーモアで伝える新しい形
医療系のアニメや広告は、倫理や表現の繊細さからリスクの高い領域です。
しかし『ボルみ』は、看護師たちの本音をユーモラスに描き、共感を軸に医療の現実を伝えることに成功しました。
「もう限界…でも笑わないとやってられない」
「先輩は厳しいけど、どこか好き」
「夜勤明けのテンションで全部バグる」
こうした“あるある”を脚本に取り入れ、現場の声を代弁する物語として機能しています。

重くなりがちな看護現場を、真面目さとユーモアで描き、見終わったあとに「わかる」と共感が残ります。
1話30〜60秒という短尺構成で「笑い→共感→余韻」を自然に展開。
TikTok・Instagram・Xそれぞれの特徴に合わせたテンポで制作されています。
ボルみのほか、先輩・お局・ベテランナースなど、実際の職場にいそうな人物像を描写。
視聴者が自分の体験と重ねやすく、リピート視聴を促します。
コメント欄には「これ、うちの病棟」「先輩これすぎる」など共感の声が多数。
看護師同士のつながりを生む“デジタル休憩室”のような場になっています。
医療広告では、誤情報や倫理面の配慮が欠かせません。
『ボルみ』は現場への敬意を保ちつつ、笑いで医療をポジティブに伝える新しい表現を模索しました。

| キャラ名 | 性格 |
|---|---|
| ボルみ | 元プロレスラー。体力・根性・涙もろさ全部100%。愛され新人。 |
| 先輩 | 看護師の仕事が長く、優しく新人ナースにも教育してくれる。懐が広く、新人教育にも積極的な理想の上司。 |
| お局(おつぼね) | 現場の流れを熟知し、自分のやり方に信念を持つ。 そのこだわりが新人には少し厳しく映ることもあるが、責任感が強く、患者の安全を最優先に考えている |
| ベテランナース | 最高の救世主。圧倒的なオーラで、困っているところに現れる。周りには「神降臨」と言われ、採血も完璧にこなす。インド風の最強の救世主 |
| 夜勤明けナース | 「夜勤明けソング」で看護師の夜勤明けあるあるを歌う。素敵な研修を率先している |
| ギャルル | ボルみの病院に実習にきているギャルメンタルな看護実習生。モットーは「悲しんでる子の支えになる」 |
| いくちゃん | ギャルルの友達の看護実習生。真面目がゆえに悩むこともあるけど、ギャルルに支えられれ、今日も着実に前進する |
登場人物はいずれも「現場にいそう」と感じられるリアリティがあり、視聴者の共感を支える軸になっています。

医療現場を題材にしたSNSアニメは、人材採用・ブランディング・コミュニケーション設計の観点からも注目されています。
『ボルみ』のように、共感を中心にしたコンテンツは、企業広告ではなく“文化的接点”として機能し、結果的にブランド理解を深める導線を作ります。
SNS上では、視聴者同士がコメントで励まし合う姿が見られます。
TikTokでは「夜勤明け仲間」として交流が生まれ、X(旧Twitter)では「上司に見せたい」「自分も頑張ろう」といった投稿が拡散。
視聴体験そのものが医療従事者の共感コミュニティとして育っています。

『新人ナース ボルみ』を展開するレバウェル看護は、2024年5月、渋谷・神南アールで看護師の本音を可視化する展示イベント「ちょっとチクっとしますよ展」を開催しました。
採血時の「ちょっとチクっとしますよ~」という看護師の声掛けと、“心にチクッとくる本音”を掛け合わせた企画で、看護師が日々感じるストレスや共感エピソードを100点展示。「痛い!下手くそ」と言われた経験や、「ナースコール鳴って駆けつけたら『押してみただけ』」など、現場のリアルな声が来場者の笑いと共感を呼びました。
オープニングイベントには、お笑い芸人・なかやまきんに君が登場し、「ヤー!」に代わる新ギャグ「ナース!」を披露。看護師向けエクササイズを実演し、会場を盛り上げました。
このイベントは「看護の日」に合わせ、看護師の仕事理解促進と社会的地位向上を目的に開催されたもので、SNSアニメ『新人ナース ボルみ』の世界観と連動しながら、医療現場で働く人々への感謝とエールを届ける取り組みとして注目を集めました。
『新人ナース ボルみ』は、ただのショートアニメではありません。
看護師たちの“心の声”に寄り添い、「笑って、また明日へ」 を生み出す物語です。
苦しい日もある。しんどい日もある。でも、それでも前に進む人を、そっと支える作品。
医療業界というタブー領域に注射針を刺した、勇気とユーモアのアニメ『新人ナース ボルみ』です。
名古屋在住のフリーライター兼チンドン屋。猫2匹と爬虫類ズと暮らしている。