2025.10.26
オンライン会議・診察ソフト「WebMeeting Software Suite」のアニメシリーズ第3話(前編『全員裏切り者な病院のオンライン受診』/第4話(後編『どんでん返しがありすぎる病院のオンライン受診』)が、2024年3月に公開された。
制作はこれまでと同様、制作会社ファニムビ。
今回もテンポの良い会話劇と伏線回収の連続で、第3話では「続きが気になる」と期待を寄せる声、第4話では「終わり?やだやだ」と、シリーズ終了を惜しむ声などがコメント欄に寄せられた。

舞台は再び、揺れ続ける医師・ドクター・シャンクスのオンライン診察室。
第1話から懲りずに無料の会議ツールを使い続けており、今回も患者・鈴木のオンライン診察に、なぜかシャンクスの妻であるお婆さんが同席している。

2話で明かされたように、彼女の正体は“世界でもっともハッカーなハッカー”だった——。

さらに、1話で登場したYouTuber・左右理(さゆり)も突然入室。
物語が進むにつれ、左右理の正体も明らかになっていく。

診察そっちのけで繰り広げられる大どんでん返し。
後編では、患者の鈴木までもが「実は公安の人間だ」と名乗り出るなど、まさに“全員裏切り者状態”。
緊張感漂う画面越しのやり取りのなか、
「リモートで銃構えても意味ないわよ」
「リモートなのに手上げるの?」
など軽妙なツッコミとギャグ、更なるどんでん返しが交互に訪れ、思わず固唾をのんで見入ってしまうストーリー展開だ。

そして物語の終盤——。
本当に見ず知らずの人物が入室してきてしまい、シャンクス先生はついに「セキュリティ甘いのこわい!もう、スイート入れる!」と宣言する。
全員が一斉に「せーの、サプライズ!」と声を上げる。
実はこの一連の騒動は、シャンクス先生に「セキュリティの重要性を自覚してもらうための芝居」だったのだ。

“銃”だと思っていたものは実は花束。
見ず知らずの人物は、WebMeeting Software Suiteの担当者。
ようやくシャンクス先生のもとに、真のセキュアなオンラインミーティング環境が導入される兆しが見えたところで、ストーリーは終幕を迎える。
今回のエピソードでは、「無料ツールの危険性」を誇張しつつ、「セキュリティ対策は他人事ではない」というメッセージをユーモラスに伝えている。
「情報漏洩の多くが身内が原因」というメッセージにある通り、誰にでも起こりうる“情報漏洩の身近さ”を自分ごととして捉えられる構成は、シリーズを通じた一貫した魅力といえる。
完結編として公開された3話と4話。一見ドタバタ劇のようでいて、裏には確かなメッセージがある。
“正しいセキュリティ環境を整えること”の重要性を、笑いとストーリーで体感できるこのシリーズは、ソフトウェア紹介動画として、さらに教育・医療・企業など、さまざまな現場における「情報リテラシー教育のきっかけ」動画としての可能性を感じさせる内容となっている。
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制作:FUNNYMOVIE
YouTube: / @piyorigo
監督・脚本:中道一将(みっちーのアニメ)
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名古屋在住のフリーライター兼チンドン屋。猫2匹と爬虫類ズと暮らしている。