
2026.09.03
「採用のためにSNSアカウントを作ったものの、何を発信すればいいのか分からない」「更新が続かず、いつの間にか止まってしまった」——採用担当者からは、そんな声をよく聞きます。実はうまくいかない原因は、発信ネタの不足ではなく、始める前の方針づくりが不十分なことにあるケースが少なくありません。本記事では、採用アカウント運用を始める前に押さえておきたい考え方から、媒体の選び方、続けるための体制づくり、よくある失敗と対策までを解説します。
採用アカウント運用とは、SNSやオウンドメディアのアカウントを通じて、求職者に向けた情報発信や関係づくりを継続的に行う取り組みです。求人媒体への掲載とは異なり、社風や働き方、社員の人柄といった、数字や条件だけでは伝わりにくい情報を発信できる点が特徴です。
採用市場が売り手優位に傾くなかで、求人媒体に載せる情報だけでは他社との違いを伝えきれない、と感じている企業は増えています。あわせて、求職者が応募前に企業の公式SNSをチェックする行動も一般的になりました。採用アカウント運用は、こうした変化に対応するための手段のひとつです。
職場の雰囲気や社員同士の関係性は、募集要項だけでは伝わりません。日々の発信で実態に近い情報を届けておくことで、入社後に「思っていたのと違った」というミスマッチを減らせます。
求人広告は掲載期間や応募数に応じて費用がかかりますが、自社アカウントはフォロワーとの接点を資産として積み上げられます。運用が軌道に乗れば、広告費に頼らない母集団形成の土台になります。
社員が登場するコンテンツは、企業の「顔」を伝える手段になります。特に若手層は、条件面だけでなく「どんな人と働くか」を重視する傾向があり、人柄が見える発信は共感につながりやすくなります。
採用アカウントとして運用される代表的な媒体には、それぞれ異なる特徴があります。自社の採用ターゲットや発信したい情報の種類に合わせて選びましょう。
オフィスの雰囲気や社員の日常を写真・ショート動画で伝えやすく、若年層への訴求力があります。ハイライト機能を使えば、募集職種ごとの情報を整理して見せることもできます。
フォロワー以外にも情報が届きやすく、企業を知らなかった層への認知拡大に向いています。かたい印象になりがちな採用情報を、テンポよく親しみやすい形で届けられるのが強みです。
採用イベントの告知や、当日の様子のリアルタイム発信に向いています。リプライやリポストを通じて、求職者と直接やり取りできる点も特徴です。
| 媒体 | 主な発信内容 | 向いている求職者層 |
|---|---|---|
| オフィスの様子、社員の日常、募集職種ごとの情報整理 | 新卒〜若手中途、写真・映像で雰囲気を知りたい層 | |
| TikTok・YouTube Shorts | テンポの良い短尺動画、カジュアルな社風紹介 | 企業をまだ知らない層、幅広い認知拡大を狙いたい層 |
| X | 採用イベントの告知・当日レポート、双方向のやり取り | すでに企業に関心のある層、直接質問したい層 |

企業の採用活動においてクリエイティブな人材をどう見極めるかについては、アニメーター採用で評価されるポートフォリオとは?でも詳しく解説しています。
アカウントを開設する前に、次の順番で方針を固めておくと、立ち上げ後の迷いが少なくなります。
特につまずきやすいのが3の体制づくりです。人事担当者だけで全てを賄おうとすると、通常業務との両立が難しくなり、更新が滞る原因になります。撮影・編集・企画のどこを外部に任せるかを、早い段階で検討しておくとよいでしょう。
すべてを内製すると人件費以外の追加コストは抑えられますが、担当者の負荷が大きくなりがちです。逆に企画・撮影・編集を外部パートナーに任せると費用は発生するものの、継続の安定感が増します。自社のリソースと相談しながら、内製と外部活用のバランスを決めましょう。
採用アカウントで発信するコンテンツのひとつとして、動画を活用する方法もあります。いくつか事例をご紹介します。
吉本興業様の公式チャンネル「エンタニメ」で公開されている動画では、マネージャー職という縁の下の力持ち的な役割をコミカルなキャラクターとして描いています。奮闘する様子をユーモラスに見せながらも、最終的には働く喜びをイメージしてもらえる構成になっており、役職そのものを主役にすることで、業務のリアルな大変さとやりがいの両方を伝えている点が特徴です。
私たちファニムビ自身の採用動画でも、同じ考え方を実践しています。「人手不足でキャラデザが崩壊した」というコミカルな設定でイラストレーター募集を呼びかけた動画では、募集背景そのものをストーリー化することで、求職者が抱える「大変そうだけど、自分の力を発揮できそうか」という本音(インサイト)に自然に触れる構成にしています。
株式会社KIS様の事例では、「熊本にエンジニアの聖地が?」というテーマのアニメーション広告を制作しました。地域や会社の魅力を、条件の羅列ではなくユーモラスな切り口で伝える採用コンテンツの一例です。第三者目線のキャラクターが会社の魅力を推薦するストーリー構成になっている点も、この事例の特徴です。詳しくは制作実績ページでご紹介しています。
採用アカウント運用では、次の3つの失敗が特によく見られます。あらかじめ押さえておきましょう。
1つ目は、更新が止まってしまうことです。無理のある頻度で始めてしまい、通常業務が忙しくなると後回しになりがちです。まずは継続できる頻度から始め、慣れてきたら増やす方が長続きします。
2つ目は、会社の魅力を語りすぎて共感を得られないことです。企業側の言葉で良さをアピールするより、現場社員のリアルな声を中心に構成する方が、求職者に届きやすくなります。
3つ目は、効果測定をしないまま続けてしまうことです。フォロワー数だけでなく、応募や説明会参加のきっかけになったかを定期的に振り返ることで、発信内容の改善につながります。
Q. 採用アカウントは、どのくらいの頻度で投稿すればいいですか?
A. 決まった正解はありませんが、無理なく続けられる頻度を優先することをおすすめします。週1回からでも、継続できていれば徐々にフォロワーとの関係を築けます。
Q. 社員の顔出しに抵抗がある場合はどうすればいいですか?
A. 無理に顔出しを求める必要はありません。手元や後ろ姿、声だけの出演など、負担の少ない見せ方から始める方法もあります。
Q. 運用を外部に委託することもできますか?
A. はい。撮影・編集・企画の一部または全体を外部パートナーに任せることで、社内の負担を抑えながら継続しやすくなります。
社風や社員の人柄といった定性的な情報は、採用アカウントだからこそ伝えられる価値です。求人媒体と役割を分けて考えましょう。
Instagram・TikTok・YouTube Shorts・Xは、それぞれ得意なコンテンツや届きやすい層が異なります。自社のターゲットに合う媒体から始めることが大切です。
採用アカウントは、続けることで初めて効果が見えてきます。社内だけで抱え込まず、外部の力も選択肢に入れながら、無理のない体制を整えましょう。
私たちファニムビは、動画・SNSコンテンツの企画から制作までを手がけてきました。採用アカウントの立ち上げにあたって「何を撮ればいいか分からない」「継続する体制が作れない」といったお悩みにも、企画段階からご相談いただけます。
「採用アカウントを始めたいけれど、何から手をつければいいか分からない」——そう感じたら、まずはお気軽にご相談ください。
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