
2026.10.01
「うちのサービス、専門的すぎて何をやっている会社か伝わらない」——BtoB企業の広報・マーケティング担当者からよく聞く悩みです。とくに物流・インフラ系のように、専門性が高く地味に見られがちな業界では、広告を出しても「結局何の会社か分からない」まま終わってしまうことも少なくありません。本記事では、物流会社・佐川グローバルロジスティクスが、この「伝わらない」壁をキャラクターアニメ広告でどう乗り越えたのかを、Before/Afterで紹介します。
佐川グローバルロジスティクスは、通販企業向けの物流代行(3PL)サービスなどを手がける企業です。しかし「佐川」という社名から、多くの人がまず思い浮かべるのは宅配便の「佐川急便」。実際に手がけている倉庫内業務・物流コンサルティングといったサービス内容は、十分に知られていませんでした。
加えて、EC市場の拡大にともない、通販企業の「売上は伸びているのに、配送が追いつかない」「地域によって送料がバラバラ」といった物流課題は年々切実になっていました。本来であれば、こうした潜在顧客に自社サービスを届けたいところですが、テレビCMのような大規模な予算は限られており、専門的な物流サービスの価値を分かりやすく伝える手段も限られていました。
そこで佐川グローバルロジスティクスが選んだのが、私たちファニムビが制作する、物流課題を「あるある」として描くアニメシリーズ「通販で儲かっている会社あるある」でした。「鳥用サプリが売れすぎて、飛ぶ鳥を落とす勢い」というユーモラスな導入から始まり、社長と事業部長の会話を通じて、物流課題とその解決策を自然な形で伝える内容です。
第1話「通販で儲かっている会社あるある(物流編)」はYouTubeで100万回以上再生される人気動画となりました。この反響を受けてシリーズ化が進み、第2話「サービス向上編」(18万回以上再生)、第3話「海外展開編」(41万回以上再生)、第4話「物流診断編」(3.6万回以上再生)と展開。シリーズ合計の再生回数は181万回を超えています。
再生回数以上に注目したいのが、エンゲージメントの高さです。YouTubeチャンネルの登録者数は500人から2,000人へと4倍に増加し、視聴維持率は公開から1年以上低下せず、最後まで視聴される完全視聴率は約50%を記録しました。視聴者からは「この動画の影響で、マジ佐川派になった」「通常CMはスキップするが全て視聴した」といったコメントが寄せられています。
社内からも「次はいつ?」という声が続出し、経営層からも好感を得られたといいます。さらに、動画をきっかけに会社を訪れる企業からの問い合わせが増えるなど、再生回数にとどまらない営業面での効果も生まれました。
制作にあたって大切にしたのは、単に笑ってもらうことではなく、「自社に導入したい」という行動につながる”刺さる”内容にすることでした。ヒアリングから拾った「あるあるネタ」を軸に、商品紹介ではなく「課題解決のストーリー」として構成しています。
佐川グローバルロジスティクス側からの要望は「お客様視点のストーリーにしてほしい」という1点のみで、細部の演出には口を出さなかったといいます。実在しない「鳥のサプリ」という設定や、社名を噛むギャグも、ファニムビの提案のまま採用されました。作り手に「お任せ」したことが、結果として自然で説得力のあるコンテンツにつながっています。
1本目の反響を受けて終わらせるのではなく、「サービス向上」「海外展開」「物流診断」とテーマを変えながらシリーズ化したことで、視聴者との接点を継続的に作り、チャンネル自体の資産(登録者数)としても積み上がっていきました。
専門的でわかりにくいBtoBサービスほど、「説明」よりも「あるある」を入り口にしたほうが伝わりやすくなります。社名や知名度の誤解(「佐川=佐川急便」)を正面から否定するのではなく、ユーモアを交えたストーリーの中でさりげなく実際のサービス内容を伝えることで、見る人の記憶に残るコンテンツになります。テレビCMのような大きな予算がなくても、動画アニメという手段であれば、低予算から始めてシリーズとして育てていくことができます。
Q. BtoBの専門的なサービスでも、アニメ広告は向いていますか?
A. 向いています。むしろ専門性が高く説明が難しいサービスほど、ストーリーとユーモアを通じて「分かりやすく、楽しく」伝えるアニメの効果が出やすい傾向があります。
Q. 1本だけでなく、シリーズ化する必要がありますか?
A. 必須ではありませんが、1本の反響を見てからシリーズ化を検討する進め方は、佐川グローバルロジスティクスの事例でも実際に採られたパターンです。反応を見ながら段階的に広げていくことができます。
Q. 制作会社に細かい指示を出さないと、イメージと違うものができませんか?
A. 必ずしもそうとは限りません。今回の事例のように、「お客様視点のストーリー」という方向性だけを共有し、細部の演出は制作会社に委ねることで、かえって自然で説得力のある仕上がりになることもあります。
佐川グローバルロジスティクスの事例が示すのは、専門的で伝わりにくいBtoBサービスであっても、「あるある」を入り口にしたストーリーで届けることで、認知度もエンゲージメントも動かせるということです。再生回数だけでなく、チャンネル登録者数・視聴維持率・問い合わせ増加といった複数の指標に変化が表れた、再現可能なBefore/Afterの一例です。
私たちファニムビは、物流・インフラ系をはじめとする専門性の高いBtoBサービスを、ユーモアを交えたストーリーでわかりやすく伝えるアニメ広告を数多く手がけてきました。「自社のサービス、どう伝えればいいか分からない」という段階からでも、まずはお気軽にご相談ください。

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