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2026.06.09

共感されるIPキャラクターはどう作る?『えんむす』に学ぶキャラクター設計術

長井杏奈

SNSやYouTubeで多くの共感を集めているショートアニメ『えんむす』。中でも、頼れる上司として活躍する一期いちえさんは、「こんな上司のもとで働きたい」「いちえさんの部下になりたい」といった声が寄せられる人気キャラクターです。

しかし、いちえさんは最初から完成された存在だったわけではありません。連載を続けるなかで少しずつ輪郭が定まり、制作チームとともに成長してきたキャラクターです。

また、『えんむす』の魅力はキャラクターだけではありません。思わず「あるある!」と言いたくなるリアルな職場ネタや、実体験をベースにした会話劇も多くの支持を集めています。

今回はみっちーに、『えんむす』の制作について、企業担当者の方が知りたい!と感じることを取材しました!いちえさんのキャラクター設計、共感を生むネタ作りの裏側、そして企業が自社IPを持つ価値について、ぜひご一読ください!


いちえさんはどう生まれた? キャラクターは連載の中で育っていく

-今、企業の広報やSNS担当者の方は、『えんむす』の人気に注目されています。なぜいちえさんが人気なのか、どうしたらファンに愛されるのか……その辺りを伺います!

みっちー:
はい、よろしくお願いします!

-まず、いちえさんのキャラクターはどうやって作っていったんですか?

みっちー:
いちえさんは、『モモウメ』のウメさんのような理解者としての一面と、おしゃクソねえさんのようなカリスマ性を持たせました。そのうえで、モモちゃんのように恋愛に対しては不器用な部分もあったらいいのではないかと仮説を立てて。この3つの要素を組み合わせて作っていきました。

最近では、コメント欄やSNSで「いちえさんみたいに働きたい」「いちえさんの部下になりたい」といった声もいただきありがたいです。

-私もいちえさんみたいな上司が欲しいです!いちえさんのキャラクターは、最初から今と同じくらい完成されていたんですか?

みっちー:
連載アニメでは基本的に、最初からすべてを決めきることはありません。実際の友人関係でも、最初は表面的なところから知って、付き合いが長くなると性格や特徴を深く理解していきますよね。

それと同じように、毎週新しいエピソードが生まれるたび、「こんな一面があったんだ」と気づきが生まれます。特に、仲間とのユニークなやり取りを通じて「いちえさんはこういうシチュエーションでは、こうするんだ」と、制作チーム自身がパーソナリティを知っていくものです。

言ってみれば、作品の中でいちえさんが成長していくのと同じように、私たちも一緒に成長している感覚があります。


コントではなく実話。共感を生むネタ作りの裏側

-ファニムビはお仕事系のアニメに強みがありますよね。特に、『えんむす』ではリアルなあるあるネタが面白いとよく言われます。「根回し苦手な若手と討論してみた」回などピンポイントで刺さるあるあるは、どうやって集めているんですか?

みっちー:
『えんむす』の制作チームは、年齢もキャリアもバラバラで、性格も個性豊かです。だから、各々の持っている体験に幅があり、そこからネタを拾い上げています。みんなが過去に困ったことをピックアップして、若手に伝えているようなイメージです。

大切なのは、できるかぎり想像で作らないこと。アニメの現場の空気感や匂いが伝わるくらいのリアルさを演出するには、誰かの実体験を再現する方法が一番です。根回し回も、チームから出したネタだからこそ多くの方から支持をいただいたのだと思います。

-『えんむす』では、「女子トイレで意見が割れました。」も人気が高いですよね。

みっちー:
女子トイレシリーズは人気ですね。あれも、コントを作るというより「実話を組み合わせて作ろう」という方向性から生まれた回です。

最初はコントのようなたたき台は作りますが、細かく仕上げていく過程で「こういうノリを実際に体験したことがあるか」を判断軸に、エピソードやセリフ回しを詰めていきます。面白さを担保しつつ、リアルさを優先した結果があの回です。

実体験にこだわっているため、よくあるショートアニメとは少し違う、リアルな女子トイレの空気感を作れていると思います。毎回、どのセリフもチームの誰かが言ったり言われたりしたものなので、ぜひその視点で見てみてくださいww

-ちょっと見方が変わってしまいますww 今後の女子トイレ回も楽しみです。

みっちー:
女子トイレ回は、今後も作っていきます。面白さや人気はもちろんですが、コラボやPRがしやすいフォーマットです。耳にのこるオリジナルソングがあり、商品やサービスについて、いちえさんたちが女子トイレで話しているという型が決まっていますから。


「誰が言うか」が重要な時代。IPキャラクターがブランドを強くする

-ファニムビはお仕事系のアニメが得意ですが、クライアントの視点から見ると、こういったアニメを制作するメリットはどこにあるんでしょうか?

みっちー:
いちえさんは多くの方から憧れられていますが、「この人の言うことには耳を傾けよう」と思わせるキャラクターがいるのは強いです。自社の商品やサービス内容を、説得力を持ちながらアピールできます。

現代は、「何を言うか」より「誰が言うか」が大事な時代です。ブランドメッセージをこうしたキャラクターにのせて発信することで、より自然に顧客の心へ届けることができます。

-たしかに、「このキャラクターが言うならそうかも」と思ったり、自分の悩みがキャラクターの言動で解決したりといったことはありますね。

みっちー:
そうだと思います。また、『えんむす』では若手討論会の回がいくつかありますが、「うちの若手から相談されたら、えんむす見せてます」と言っていただいたこともありました。これも、「いちえさんが話すことなら納得してくれるだろう」という信用があるのでしょう。

-これから、業界や規模に関係なく自社IPを持っておくのは大切になりそうですね。どうしたら信用されて発言力のあるキャラクターを作れるのでしょうか。

みっちー:
取材を徹底して、リアルをベースにすること。そこに、2割程度の理想を加えること。このバランスです。例えば、女子トイレ回では普通は気まずくなる場面で、みんなが心の中で思っていることを少しだけ加えています。

これによって、キャラクターたちの魅力が増し「理想の仲間像」に近づいていくんです。

-なるほど。その塩梅は、経験豊富なファニムビだからこそ作れるものだと感じました。

みっちー:
そういったバランスを調整することは得意です。事実、『えんむす』もSNSで共感を集められる自社開発のIPキャラクターが必要だという課題を抱えたクライアントから、発注をいただき始まりました。

-最後に、これから自社IPを開発しようか悩んでいる方に、コメントをお願いします。

みっちー:
繰り返しになりますが、発言力があり「この人が言うなら」と思ってもらえるキャラクターを持っているブランドは、訴求力が非常に高いです。ブランドの魅力を最大限まで高められるよう、ぜひ一緒にオリジナルIPを作り上げていきましょう。

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