
2026.09.04
「新商品を発売したものの、思ったように知ってもらえていない」——ブランド認知度向上に取り組む担当者からは、そんな悩みをよく聞きます。実は認知度が伸び悩む原因は、商品力ではなく、情報が届く前に他の情報に埋もれてしまっていることにあるケースが少なくありません。本記事では、新規ブランド・新商品のブランド認知度向上が難しい理由から、動画・SNSを軸にした施策の考え方、設計の進め方、よくある失敗と対策までを解説します。
新商品・新規ブランドが認知を獲得しにくい背景には、情報量の多さがあります。SNSやWeb上には日々大量の情報が流れており、単に商品の魅力を伝えるだけでは、他の情報に埋もれてしまいがちです。
加えて、消費者は購入前に複数の情報源を比較検討する傾向が強まっています。一度の広告出稿だけで認知から購買まで一気に進めるのは難しく、複数の接点を通じて段階的に印象を積み重ねていく設計が必要です。
特に、大手企業のPB(プライベートブランド)商品のように、店頭の棚に類似商品が並ぶカテゴリーでは、価格や機能だけで差をつけるのが難しい場面も多くあります。だからこそ、店頭で見かける前の段階から、動画・SNSでの接点を作っておくことが重要になります。
スペックや価格の訴求だけでなく、ストーリー性のある動画コンテンツは、見る人の感情に働きかけやすいという特徴があります。「共感できる」と感じてもらえれば、記憶にも残りやすくなります。
SNS上で話題になりやすいコンテンツは、広告費をかけた範囲を超えて届く可能性があります。ユーザー自身がシェアしたくなる要素(面白さ、共感、驚きなど)を意識した設計が重要です。
テレビCMなど大規模な広告展開に比べ、動画・SNS施策は小さく始めて反応を見ながら調整しやすいという利点があります。反応の良かった企画に、段階的に投資を寄せていく進め方も可能です。
認知度向上のための施策には、それぞれ特徴があります。単独で使うだけでなく、組み合わせて設計することも検討しましょう。
| 施策 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 広告出稿(Web広告・SNS広告) | 短期間で確実にリーチを確保できる | 発売直後の初速づくり |
| インフルエンサー・SNSクリエイター活用 | フォロワーとの信頼関係を通じて情報が届く | ターゲット層への深い浸透 |
| 動画コンテンツ(ブランデッドコンテンツ等) | ストーリー性で記憶に残りやすい | ブランドの世界観・独自性の訴求 |
| PR・メディア露出 | 第三者からの発信で信頼性が増す | 話題性・ニュース性のある新商品 |
| 店頭施策(POP・試供品等) | 購入直前の後押しになる | 店舗販売が中心の商品 |

これらのなかでも、動画コンテンツはブランドの世界観を伝えやすく、SNSでの拡散も狙えるため、複数の施策を組み合わせる際の軸として活用されることが多い施策です。動画制作の進め方については、サービス紹介アニメ動画制作の完全ガイドでも解説しています。
実際に、動画コンテンツを軸にした認知施策でどのような成果が出ているのか、私たちファニムビが制作に携わった事例をご紹介します。
株式会社セブン&アイ・ホールディングス様の「JAS特級あらびきウインナー」「金のウインナー」は、品質の高さの一方で「プレミアム」という言葉から日常使いしづらい印象を持たれる課題がありました。そこで「プレミアムだけど親しみやすい」キャラクターを設計したアニメCMを制作し、YouTubeで12万回以上の再生を記録しています(2026年1月時点)。
サントリー株式会社様の「割るだけBOSS CAFE」は「牛乳で割るもの」というイメージが強い商品でしたが、「水で割ってもおいしい」という特長を伝えるため、親しみやすい夫婦キャラクターのアニメCMを制作しました。動画は224万再生を記録し、思い込みを覆すメッセージが広く認知されました(2026年1月時点)。
株式会社SATOブリアン様の限定商品「SATOブリスパイス」では、Instagramリールでの拡散を前提に、テンポの速いアニメCMを制作しました。広告費をかけずオーガニックで14万再生を達成しており、予算規模の小さいブランドでも取り組める認知施策の一例です。
このほかにも、飲食業界を中心にアニメCMを活用した認知施策の事例があります。詳しくは飲食業界のアニメCM事例5選|成果が出た理由を解説でご紹介しています。
ここでは、先ほどの施策比較表で紹介した「広告出稿」「インフルエンサー・SNSクリエイター活用」「動画コンテンツ」の3つの施策について、それぞれ実際の動画を交えてご紹介します。
「割るだけBOSS CAFE」では、人気アニメクリエイター「みっちーのアニメ」とのコラボレーション動画を制作し、広告として展開しました。すでにファンを持つクリエイターとのコラボレーションが、公開直後の視聴の伸び(初速)を後押しした事例です。
SNSクリエイター「えんむす」のチャンネルでは、ネイチャーラボのヘアケアブランド「ダイアン」とのタイアップ動画を制作しました。夏の汗で崩れがちな髪を、ダイアンのドライシャンプーでリフレッシュするというコミカルなストーリーのなかで、商品の使用感を自然に伝えています。すでにファンを獲得しているクリエイターの発信力を借りることで、自社のフォロワー以外にも情報が届きやすくなる、インフルエンサー・タイアップならではの効果が期待できる事例です。
佐川グローバルロジスティクス様のアニメCMでは、スタッフ全員がロボットの味方につくというユーモラスなトーンで自社の魅力を発信しています。ストーリー性のある動画コンテンツとして、ブランドの世界観を伝える施策の一例です。
認知施策は、次の流れで設計すると軸がぶれにくくなります。
特に重要なのが2の「メッセージを1つに絞り込む」ことです。伝えたいことを詰め込みすぎると、結局何が魅力なのかが伝わりにくくなります。まずは一番伝えたい一点に絞り、そこから展開を広げていく方が、記憶に残る認知づくりにつながります。
また、発売タイミングとの連携も欠かせません。店頭やECサイトでの発売日に合わせて動画・SNSでの露出をピークに持っていけるよう、制作・配信のスケジュールは逆算して組み立てましょう。発売直後に一気に情報が届く状態を作れるかどうかで、初速の伸び方が変わってきます。
新規ブランドの認知施策では、次のような失敗がよく見られます。あらかじめ押さえておきましょう。
1つ目は、単発の施策で終わらせてしまうことです。1本の動画や1回の広告出稿だけでは、記憶に定着させるだけの接点回数が不足しがちです。複数回・複数の接点を通じて、段階的に印象を積み重ねる設計を心がけましょう。
2つ目は、話題性だけを狙って商品の魅力と結びつかない企画になってしまうことです。バズること自体が目的化すると、話題にはなっても商品が記憶されない、という結果になりがちです。
3つ目は、効果測定の指標を決めずに走ってしまうことです。再生数や閲覧数だけでなく、認知度調査やブランド名の検索数の変化など、目的に合った指標をあらかじめ決めておくことが大切です。
4つ目は、社内の関係部署との連携不足です。特に店舗展開のある商品では、営業・店頭担当と発売タイミングや訴求ポイントをすり合わせておかないと、Web上の発信と店頭での見せ方がちぐはぐになり、かえって印象がぼやけてしまうことがあります。
Q. 予算が限られている場合、どこから始めればいいですか?
A. まずは動画コンテンツを1本制作し、SNSでの反応を見ながら広告出稿やインフルエンサー活用を検討する、という段階的な進め方がおすすめです。
Q. 効果が出るまで、どのくらいの期間を見ておけばいいですか?
A. 商品やターゲットによって差がありますが、単発の施策で終わらせず、複数回の接点を数ヶ月単位で積み重ねる前提で計画することをおすすめします。
Q. 動画とSNS広告、どちらを優先すべきですか?
A. どちらか一方ではなく、動画コンテンツで伝えたいメッセージを作り、SNS広告でその動画の露出を広げるという組み合わせ方が効果的な場合が多いです。
情報が溢れる時代だからこそ、あれもこれも伝えようとせず、一番伝えたい一点に絞り込むことが、記憶に残る認知づくりの第一歩です。
広告・インフルエンサー・動画コンテンツ・PR・店頭施策は、それぞれ役割が異なります。単発で終わらせず、組み合わせながら接点を積み重ねましょう。
再生数や閲覧数だけでなく、認知度や検索数の変化など、施策の目的に合った指標をあらかじめ決めておくことで、次の打ち手につなげやすくなります。
私たちファニムビは、動画・SNSコンテンツを軸にした企画・制作を数多く手がけてきました。新商品・新規ブランドの認知施策についても、メッセージの整理から動画制作、SNSでの展開まで、企画段階からご相談いただけます。
「新商品を知ってもらうために、何から手をつければいいか分からない」——そう感じたら、まずはお気軽にご相談ください。
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