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2026.10.02

企業のオリジナルキャラクター開発のコツ|IPを育てる5つのポイント

崎原 辰吾

「自社らしいキャラクターを作りたい。でも、何から決めればいいのかわからない」。オリジナルキャラクターの開発を任された担当者の多くが、最初にこの壁にぶつかります。

キャラクター開発というと、かわいいデザインや凝った設定づくりに目が向きがちです。しかし、愛されるIPに育つかどうかは、見た目よりも「誰に好かれるために生まれたのか」と「どう育てるのか」で決まる部分が大きいのです。

本記事では、企業がオリジナルキャラクター・IPを開発する際に押さえたい5つのコツと、小さく始めて育てる進め方を、実際の事例を交えて解説します。

企業がオリジナルキャラクターを開発する意味とは?

企業がキャラクターを活用する方法には、大きく分けて「既存の人気キャラクターを起用する」と「自社オリジナルのキャラクターを開発する」の2つがあります。どちらにも良さがあり、目的によって向き不向きが分かれます。

既存キャラクター起用との違い

既存キャラクターの起用は、すでにファンがいるため立ち上がりが早いのが強みです。一方で、契約期間や表現の制約があり、自社の資産として積み上がりにくい面もあります。

オリジナルキャラクターは、育つまでに時間がかかる代わりに、表現の自由度が高く、育てた分だけ自社の資産になります。グッズ化やタイアップなど、将来の展開も自社の判断で選べるのが大きな違いです。

なお、すでに社内にキャラクターがあるものの活用できていない場合は、新規開発の前に、眠っている既存キャラクターをSNSで再活用する方法を検討するのも一つの選択肢です。

オリジナルキャラクター開発で押さえたい5つのコツ

コツ1:「誰に好かれたいか」を最初に決める

最初に決めるべきは、デザインではなく「このキャラクターを好きになってほしい人」です。年代・趣味・日常の悩みまで具体的に描けるほど、キャラクターの性格や口ぐせも自然と決まっていきます。

「全世代に愛されるキャラクター」を目指すと、特徴のないキャラクターになりがちです。まずは狭くても熱量の高いファン層を狙う方が、結果として広がりやすくなります。

コツ2:細かな設定より「関係性」と「口ぐせ」を作る

誕生日や出身地などのプロフィールを作り込んでも、視聴者の記憶にはあまり残りません。印象に残るのは、キャラクター同士の関係性や、つい真似したくなる口ぐせです。

「しっかり者と天然」「先輩と後輩」のような関係性があると、会話だけでエピソードが生まれ、シリーズとして長く続けやすくなります。

コツ3:企業色は「最初から全開」にしない

社名やロゴをキャラクターのデザインに強く入れ込むと、広告の印象が前に出てしまいます。まずはキャラクターそのものを好きになってもらい、企業との結びつきは作品の中で少しずつ伝える方が、ファンは自然に受け入れてくれます。

コツ4:ミニマムな本数で反応を見てから育てる

最初から大規模なシリーズを組むと、反応が悪かったときに方向転換しにくくなります。まずは必要最小限の本数でアニメを公開し、視聴者の反応を確かめてから、本格的に育てる判断をするのがおすすめです。

反応の良かったキャラクターやネタを次の回で膨らませていくことで、IPはファンと一緒に育っていきます。

コツ5:権利と運用体制を最初に決めておく

キャラクターの著作権の帰属、グッズ化やタイアップの判断者、SNSの投稿担当などは、開発の初期に決めておきたい項目です。ここが曖昧なままだと、人気が出たタイミングで展開が止まってしまうことがあります。

オリジナルキャラクター開発の5つのコツ(好かれたい相手を決める、関係性と口ぐせを作る、企業色は控えめに、ミニマムな本数で反応を見る、権利と運用体制を決める)をまとめた図
オリジナルキャラクター開発の5つのコツ

事例:サウナアニメ「ととのん」の立ち上げ方

ファニムビがサウナ東京様とのコラボで制作したサウナアニメ「ととのん」は、ここまで紹介したコツを体現した立ち上げ方をしています。

進め方の特徴は、施設の宣伝から入るのではなく、まずターゲットとなるファン層に好かれるキャラクターを先にデザインしたことです。そのうえで、ミニマムな本数のアニメを公開して視聴者の反応を確かめ、手応えを見ながら展開を広げていきました。

サウナアニメ「ととのん」(サウナ東京様コラボ)

「好かれるキャラクターを先に作る」「小さく出して反応を見る」という順番は、施設や商品の規模を問わず応用できる型です。企業色を前面に出さずに、まずはキャラクターのファンを作ることが、結果として企業やブランドへの好意にもつながっていきます。

オリジナルキャラクター開発の進め方

ここまでのコツを踏まえると、開発はおおむね次の流れで進めるとスムーズです。

  1. 目的とファン像を決める:何のためのキャラクターか、誰に好かれたいかを言語化します。
  2. キャラクターと関係性を設計する:デザイン案と並行して、性格・口ぐせ・キャラクター同士の関係を固めます。
  3. 権利・運用体制を決める:著作権の帰属、展開の判断者、SNSの運用担当を整理します。
  4. ミニマムな本数で公開する:数本のアニメやSNS投稿で、視聴者の反応を確かめます。
  5. 反応をもとに育てる:好評だった要素を膨らませ、シリーズ化やグッズ化などの展開を検討します。

よくある失敗と対策

失敗1:社内の意見を全部取り入れてしまう

関係部署の要望を少しずつ反映していくと、誰の心にも刺さらない無難なキャラクターになりがちです。判断基準を「想定ファンが好きになるかどうか」に置き、最終決定者をあらかじめ決めておきましょう。

失敗2:作ったあとの活用計画がない

デザインが完成した時点で満足してしまい、発信の場がないまま眠ってしまうケースは少なくありません。キャラクターは登場する作品があってこそ育つため、開発と同時にアニメやSNSでの発信計画を立てておくことが大切です。

失敗3:短期間で成果を判断してしまう

IPは育てるものであり、数本の公開で大きな成果を求めるのは現実的ではありません。反応を見る段階と、本格的に投資する段階を分けて考えると、社内の期待値もそろえやすくなります。

よくある質問(Q&A)

Q. キャラクターのデザインだけを依頼することはできますか?
A. 可能です。ただし、キャラクターはアニメやSNSで動かしながら育てることで魅力が増していくため、発信方法もあわせて検討しておくことをおすすめします。

Q. キャラクターは1体と複数体、どちらがよいですか?
A. 目的によりますが、アニメで展開する場合は、2体以上の関係性があると会話やエピソードを作りやすくなります。まずは主役と、その相手役の2体から考えるのがおすすめです。

Q. 反応が良くなかった場合はどうすればいいですか?
A. ミニマムな本数で始めていれば、キャラクターの見せ方やネタの方向性を調整して再挑戦できます。どの回のどの要素に反応があったかを振り返ることが、次の改善につながります。

まとめ|オリジナルキャラクター開発は「誰に好かれるか」から始まる

見た目より先に、ファン像と関係性を決める

愛されるキャラクターは、かわいいデザインだけでは生まれません。誰に好かれたいのかを最初に決め、関係性や口ぐせで記憶に残る存在をつくることが、IPとして育つための土台になります。

小さく出して、反応を見ながら育てる

ミニマムな本数で公開し、反応を確かめてから展開を広げる進め方なら、リスクを抑えながらファンと一緒にIPを育てられます。権利と運用体制を早めに決めておくことも忘れないようにしましょう。

私たちファニムビは、キャラクターの企画・デザインから、アニメやSNSでの発信、その後の育成まで一貫してご相談いただけます。「どんなキャラクターが自社に合うのかわからない」という段階からでも、まずはお気軽にご相談ください。

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